
プログラマーになりたいけど残業時間はどれほどのなの?
色々調べてみると、
「月の残業時間100時間以上」
「長時間に及ぶ残業の毎日...家にも帰れず体がキツイ」
などの口コミがあって、正直気持ちが前に進みません。
本記事の内容
- 残業が多くなる理由
- 残業を減らす方法
- 残業があまりなさそうな会社の見分け方
本記事を書いている僕は、これまでIT企業やWEB会社に勤務、現在WEBフリーランスとして活動中。
プログラマーの残業が過酷すぎて、目指すことに足踏みしてしまう未経験の方向けに、プログラマーの残業が多くなる理由を明らかにし、その解決策をご紹介していきます。
過酷な残業やノー残業を経験した、僕の実体験に基づいた内容になっています。
1.プログラマーの残業の実態
プログラマーの残業の実態について解説していきます。
- 公的データから見るプログラマーの残業の実態
- 実際のプログラマーの残業実態
はじめに、厚生労働省が調査し公表した公的資料から、プログラマーの残業の実態を見てみましょう。
1.公的データから見るプログラマーの残業の実態
下記、2018年に厚生労働省が調査し公表した、IT企業「1年間の月間平均残業時間の実態」調査結果です。
- 「20時間未満」のIT企業は49%
- 「40時間以上」のIT企業はわずか2%
※IT企業全体の結果なので、SEやコンサルタントも含んでいますが、プログラマーの残業時間と読み取ってもさほど差はないです。
約半数のIT企業での残業時間は「月20時間程度」だということがわかります。
1日にして1時間ほどの残業時間です。
また「40時間以上(1日2時間以上)」のIT企業はたったの2%しかありません。
ですから、厚労省の資料によれば、残業時間においてはプログラマーはそんなに過酷な働き方はしていないということです。
一部の少数企業では「40時間以上の残業時間」ですが、40時間と見ても1日2時間程度ですから、過酷というまでもありません。
では、実際のプログラマーの残業実態はどれほどなのか、次節で解説していきます。
2.実際のプログラマーの残業実態
僕が17年間でどのくらい残業をしたのかざっくりというと、
月平均0時間〜160時間
ほどです。
かなり振り幅が大きいです。
残業を全くしない時もあれば、曜日感覚がなくなるくらいにまで休日出勤や残業漬けの日々を送ることも...
(160時間ともなれば、毎日深夜23時や24時までの仕事に加えて、休日出勤で休みがない月もありました)
また、先ほどの厚労省の公表結果だと、わずか2%のIT企業で残業時間が「40時間以上」とのことでしたよね。
しかし、僕も含め「40時間以上」の残業経験を持つ人は少なくないんです。
年俸500を超えた頃って月の残業115時間ぐらいだった頃だなとかふと……まだバリバリのプログラマー兼コーダーで現場反復横とび中間管理職様だったわ(´・ω・`) 800超えた頃には残業45時間以下になってたし結局狙うならまあ30過ぎの落ち着いた頃になっちゃうのかなと( ˘ω˘)
— つら (@tsuramisan) September 23, 2020
月175時間残業…普通やん。って思ってたなぁ。某大手ベンダーてSEやってた頃。同じような勤務時間で下請けは安月給やったし。IT化って天才プログラマーがやってるんじゃなくて、凡人がweb検索と根性でやってんだよなぁ。
— hishis (@hishis81416254) September 28, 2020
では、そもそもなぜプログラマーは残業が多くなるのでしょうか?
2.なぜプログラマーは残業時間が多くなるのか
プログラマーの残業が多くなる理由は以下のとおり。
- プロジェクトのスケジュールの状態による
- クライアントとの契約内容
- プログラマーのスキル不足
順番に解説していきます。
1.プロジェクトのスケジュールの状態による
システムのサービス開始日はプロジェクト開始時には既に決まっています。
しかし、クライアント(お客さん)の要望が固まってない場合だと開発作業ができませんから、スケジュールが後ろにずれ込みタイトになります。
そうなると当然、後になって作業のしわ寄せがやってくるので、残業は多くなります。
ですが、クライアント(お客さん)の要望がしっかりと固まっている場合だと、仕様の後戻りも少ないですから、スケジュールどおり作業すればいいだけなので残業は少ないです。
2.クライアントとの契約内容
IT企業では、会社がお客さんと結ぶ「契約内容」により残業の頻度が変わるのも事実。
ですから、プログラマーの残業時間は、クライアントとの契約内容にも左右されます。
- SES契約
- 請負契約
順番に解説します。
SES契約
「SES契約」では、プログラマーがあらかじめプロジェクトに関わる時間が決められる場合があります。
「SES契約」を一言でいうと、技術力を提供することで評価される契約のこと。
「SES契約」では、プログラマーなどのエンジニアが客先(お客さんの会社)に常駐し、そこで作業をしていきます。
本来、当該プロジェクトに関わった時間をもって評価(報酬を時間単位でもらえる)されることになります。
しかし、クライアントとの契約により、あらかじめ拘束される時間が決められる場合もあるのです。
「SES契約」で、会社とお客さんとの間で結ばれる具体的な例は以下の通り。
- 「最低稼働時間があらかじめ決められている」
- 「残業しないことが決められている」
それぞれ僕の体験談交えながら解説していきます。
最低稼働時間があらかじめ決められている
月の稼働時間がある時間を超えていなければ評価しない
上記、僕の会社がクライアント(お客さん)と結んだSES契約の内容です。
ある時間というのは、通常の稼働時間に加えて残業時間を合わせた時間のこと。
つまり、毎日の稼働時間にプラスして、最低何時間かの残業をしなければなりませんでした。
当時、月間「200時間」という稼働時間が決められていました。
なので1日の稼働時間は、8時間(通常の稼働時間) + 2時間(残業時間)=10時間
1ヶ月トータルの稼働時間は、10時間 × 20日 = 200時間
この「200時間」を超えていないと、200時間分のお金が会社に支払われなかったのです。
毎日の稼働時間にプラスして、最低2時間の残業をしろ!ということをプロジェクト参入の際に言われたことです。
たとえスケジュールが前倒しとなっていても、なんらかの作業はしないといけませんでした。

通常以上の稼働率をもって作業しないと終わらないプロジェクトだったと推測します。
「残業しない」ことが決められることもある
残業はしないこと(定時分のみ評価する)
上記のような「SES契約」も、会社とクライアント(お客さん)との間で交わしました。
つまり、残業はしなくても良いと言うことです。
この場合だと、仕事が遅れていても残業はできません。
定時を過ぎて残って仕事をしても、残業代はもらえませんし、早く帰るよう促されます。
スキルに問題があるプログラマーですと、時間内に仕事を終えることはできません。
なので、そのしわ寄せは他のプログラマーが被ることもあります。
逆に、仕事ができるプログラマーだと、気持ちよく残業なしで帰宅することができるのです。

「残業しないこと」を契約とするプロジェクトは、クライアント(お客さん)のプロジェクトに掛ける予算が決められていたと憶測します。
「SES契約」は、クライアント(お客さん)と会社の間で結ばれる「労働時間」によってプログラマーの残業時間が決まってきます。
とはいえ「SES契約」は、あまりにも過酷な残業時間はないような印象でした。
ではもう一つ、会社がお客さんと結ぶ「請負契約」について解説していきます。
請負契約
「請負契約」とは、会社が開発プロジェクトをお客さんから受ける際に結ぶ契約の一つ。
「請負契約」を一言でいうと、製品を納品することで評価される契約のこと。
「請負契約」では製品の完成義務があります。
ですから、納期までには製品完成させないといけませんから、請負った会社のスキル次第では、残業が多くなることもあります。
請負契約で残業が多くなる原因
請負契約で、残業が多くなるのはいくつかの要因があるのです。
- 会社の教育体制が未整備
- そもそもプログラマーなどエンジニアのスキル・能力が低い
- お客さんがシステム開発の発注経験が浅い
- 開発を受注した会社やプロジェクトマネージャの見積もりの妥当性が甘い
「請負契約」は受注する仕事に対し、自社のスキルが妥当かどうか見抜かなければなりません。
なので、会社やプロジェクトマネージャーなどの管理者の資質が問われます。
プロジェクトマネージャは、適切にプログラマーなどのエンジニアを人選・配置し予算内で開発する計画を立てなければなりません。
ですから、プロジェクトマネージャの見積もりが甘かったり、会社のスキルに合わない無理なプロジェクトだと、スケジュールに悪い影響を及ぼしプログラマーなどに残業が発生するのです。

逆に言えば、会社の教育体質をはじめ、プロジェクトマネージャーの資質がしっかりしていると、スケジュール通りに作業できるので、残業時間も割と少ないといえるでしょう。
会社がブラック企業
「請負契約」の場合、残業しているのだけれど、プログラマーなどに残業手当が与えられないケースもあります。
理由は、プログラマーなどのエンジニアの残業時間が多くなると残業代も膨らみます。
すると、会社がお客さんからもらう報酬から差し引かねばならないことになりますから、会社の利益が減るからです。
会社の利益が減ることを避けるため、プログラマーが残業したにもかかわらず、残業代が支払われないという危険もあるのです。

会社が自社のスキルを考えず、高額な報酬を得ようと身の丈に合わないプロジェクトを受注した場合多いです。
3.プログラマーのスキル不足
プログラマーのスキル不足も残業が多くなる原因の一つです。
例えば、あるプログラマーは1時間で終わる作業を、別のプログラマーだと5時間も掛かってしまうことも珍しくありません。
ですから、後者の5時間掛かってしまうプログラマーのスキルが不足していることになり、残業となってしまいます。
また、わからない部分を素早く調べたり、先輩上司に質問するコミュニケーション能力もプログラマーにとって必要なスキルです。
以上、プログラマーの残業が多くなる理由3つを解説しました。
しかし、プログラマーは極力残業を減らしていく方法もあるんです。
3.プログラマーの残業を減らす方法
プログラマーの残業を減らす方法は以下2つ
- プログラミングのスキルアップ
- コミュニケーションスキルを身に付ける
クライアントや会社などの管理者側に残業が多くなる理由があるとしても、プログラマー自身のスキルが高ければ、必要最低限の残業で済みます。
少なくとも、過酷な残業は避けられるはずですし、ノー残業で帰ることも可能ですよ!
1.プログラミングのスキルアップ
プログラミングスキルを身に付けることは、プログラマーとしては絶対に避けられません。
またそのスキルをさらに伸ばしていくためにも、日々の学習も欠かせないんです。
IT技術も日進月歩で進歩していきますから、いつまでも古いスキルのままでいては、業務ついていけなくなってしまいます。
資格試験などを利用しながら、幅広くIT知識を身に付けていきましょう。
>>基本情報技術者試験まとめ|IT知識ゼロから合格を目指す!
もちろん、今のうちからプログラミングスキルをしっかりと身に付けておくことをオススメしておきます。
>>初心者におすすめするプログラミングスクール4つ!学ぶだけじゃなくその後の就職(転職)サポートもあり!!
2.コミュニケーションスキルを身に付ける
コミュニケーションスキルを身に付けることは、先輩・上司に質問もしやすくなります。
そうなると、的確な答えをもらえますから、つまづいてもその解決に時間は掛かりません。
また、プログラマーはプログラミングだけが仕事ではありません。
設計書を書いたり、読解したりとSEとコミュニケーションをとる場合もあります。
うまくコミュニケーションが取れないと、設計書も書けないし読解もできないので、作業が遅れることにもなりますよ。
では、最後に残業があまりない会社の見分け方を解説していきます。

プログラマーとして高いスキルを持ち、残業があまりない優秀な会社を見つけられれば、残業で悩み疲弊することは避けられますよ!
4.残業があまりない優秀な会社の見分け方3つ
残業があまりない優秀な会社の見分け方は、以下3つです。
- 教育体制が整っているか
- 取引クライアントは大手企業か
- 口コミサイトをチェック!
順番に解説しますね。
1.教育体制が整っているか
教育体制がしっかりしていれば、プロジェクトマネージャはもちろん、他のプログラマーなどエンジニアの能力は高いことがほとんどです。
特に「請負契約」が多いIT会社だと、その会社の教育体制がしっかりしているか、見ておく必要があります。
前述したように、「請負契約」ではプロジェクトマネージャなどのプロジェクトの見積もりによって、各プログラマーなどのエンジニアのスケジュールが組まれます。
プロジェクトマネージャーの素質が低いと見積もりも甘くなるため、残業することも多くなります。
仕様の見落としによる後戻りや、開発中の仕様変更にも耐えきれず、スケジュールが遅れたりするのです。

例えば、情報処理技術者資格の保有者数などもその指標になるでしょう。
会社のホームページなどでも公開されているので調べてみてくださいね。
2.取引先クライアントは大手企業か
取引先クライアントが大手企業だと、システム開発の発注の経験もあるし、金払いも良いです。
システム開発の発注経験があると、開発途中の仕様変更に対する「大変さ」も理解してくれます。
金払いが良いと、きちんと見積もりにあった報酬ももらえます。
ですから、無謀な仕様変更も避けられるし、無理なスケジュールで開発が進行することも少ないです。
また、大手企業での常駐作業ともなると「残業申請」が必要だったり、夜8時頃になると空調設備が切れたりと、残業することに対して否定的な会社が多いのも特徴です。

会社のホームページなどで、どういった分野の開発実績があるのか、見ることができます。
電力、官公庁、交通、銀行、保険など、あらかじめ興味をもち面接に望むことで、取引先クライアントを教えてくれるかもしれませんよ。
3.口コミサイトをチェックしてみる
「口コミサイト」キャリコネを利用して、会社の残業度合いを調べてみるのもいいですよ。
残業時間はもちろん、会社の雰囲気や給与明細・賞与など求人誌にはない情報がわかりますよ。
現社員や元社員による会社の口コミですから、かなりリアルな情報ばかり!
ただし(無料)会員登録してからでないと、口コミは見れません。
以下、ご紹介する「口コミサイト」キャリコネで、残業度合いをチェックしてみてくださいね!
➡︎昇給有・残業無って本当?求人票には掲載されない情報が満載【キャリコネ】
参考【使っておきたい!IT系転職エージェント2選】20代未経験からプログラマーへ!
以上、残業があまりなさそうな会社の見分け方を解説しました。
まとめ:残業を避けたいなら、プログラマーとしてのスキルを得ることが一番効果的!
最後に要点をまとめます。
プログラマーの残業の実態について、厚労省のデータと実際のプログラマーの実態では大きく差がありました。
そもそも、プログラマーの残業が多くなる理由は以下のとおり。
- プロジェクトのスケジュールの状態による
- クライアントとの契約内容
- プログラマーのスキル不足
しかし、クライアントや会社など管理者側にプログラマーの残業が多くなる原因があるにせよ、プログラマー個人のスキルが高ければ、少なくとも過酷な残業なんて避けられます。
- プログラミングのスキルアップ
- コミュニケーションスキルを身に付ける
さらに、残業が少ない優秀な会社を見つけられれば、あなたは仕事もプライベートも充実させることができるはずです。
- 教育体制が整っているか
- 取引クライアントは大手企業か
- 口コミサイトをチェック!
まずは、今のうちにしっかりと基礎からプログラミングを学習しておいてくださいね!
参考超初心者におすすめするプログラミングスクール4つ!学ぶだけじゃなくその後の就職(転職)サポートもあり!!