使えない新入社員に困っています。
どうやって教育したら良いでしょうか?
本記事の内容
- 本当に使えない新入社員なのか考えて欲しいこと
- 使えない新入社員との向き合い方|使える新入社員へ変貌
- 新入社員の仕事に対する意識は年々低くなっている
- 使えない新入社員は面接ではわからないのか
- 使えない新入社員は辞めさせられる?
新入社員は所詮は学生上がりです。
仕事のことはもちろん、やり方だって分かりません。
なので、経験ある他の社員と同じように接していては、新入社員もついて来るのは難しいです。
つまり、新入社員には「新入社員のための向き合い方」があると言うことなんです。
僕も新入社員の頃はありましたし、新入社員の教育もしてきました。
なので、教えてもらう新入社員の気持ちも分かりますし、教える先輩社員の気持ちも十分わかります。
「使えない新入社員」だと決めつける前に、この記事を読んで新人教育を見直してみてはいかがでしょうか?
教育が成功すれば、あなたの社内的な地位や新入社員の信頼性もアップし、頼られる存在にもなりますよ。
1.本当に使えない新入社員なのか考えて欲しいこと
では、本当に使えない社員なのかを、以下「使えない新入社員の特徴」から考えていきましょう。
- 常に指示待ち
- 積極性がない
- ミスの繰り返しやもの忘れが多い
- 敬語やマナーがなっていない
順番に解説します。
1.常に指示待ち
新入社員は受け身になりがちで、指示がないと動けません。
指示がないと動けないのは、そもそも学生時代からの習慣による影響も考えられます。
学生時代、学校では教科書が与えられ、先生の授業のもとに学習していきますよね。
分かりやすいかどうかは別として、まずは「教えてもらう」ことが前提となっています。
教科書もない、先生もいない中では何にもできないと意識付けされているんですね。
2.積極性がない
慣れない職場で、気持ちが萎縮してしまうこともあります。
萎縮すると、仕事にも積極的になれません。
なので、先輩や上司に気軽に質問したりするにも勇気が入ります。
気持ちが弱い新入社員であれば、何時間も悩んでストレスになることも...
新入社員にとって、社内雰囲気は異質なんです。
年齢の離れた上司、かしこまった会議や朝礼もあり、これまで経験したことのない環境です。
でも、経験を積んで行くことで、会社の雰囲気には慣れてくるものです。
3.ミスの繰り返しやもの忘れが多い
新入社員は仕事の仕方が分かっていません。
なぜなら、これまで学生として「教えられる」立場だったからです。
学校ではミスや失敗を繰り返しても、それほど自身に影響がありません。
また、それを繰り返しても誰にも悪影響はなかったのです。
しかし、仕事となるとそうはいきません。
教える先輩の時間を奪うことになりますし、ミスや失敗が会社の損害となることもあります。
こうした影響が身に染みて分かっていないですから、一度仕事を教えてもらえたらそれでおしまいになってしまいます。
なので、もう一度同じような仕事をしようとすると忘れていますから何もできなくなるんです。
ミスや失敗をしたらどうなるのか...
4.敬語やマナーがなっていない
学生時代とは異なり、会社は様々年齢層の方が多いです。
しかも、お客さんと接することもありますから、敬語やマナーは大切です。
僕も新入社員の頃、入社研修としてビジネスマナーを学びました。
- エレベーターの乗る順番
- 会議や打ち合わせでの座る順番
- 名刺の受け渡しの仕方
- 質問の仕方など...
はじめて学ぶことも多かったですから、身に付けるにも大変でした。
その都度注意されるも、これまでの癖だったり仕事で追われる気持ちもあってなかなか改善されません。
まずは学生上がりの新入社員でもできそうなことから、評価してあげてはいかがでしょうか。
2.新入社員の仕事に対する意識は年々低くなっている
上表は、「公益財団法人 日本生産性本部」 が平成31年に実施した新入社員の「働くことの意識調査結果」です。
表の赤線と緑線のところを見ると、年々広がりが大きくなっているのが分かります。
適度に仕事をしつつ「楽しんで生活していけるだけの給料がもらえれば良い」という考えが強くなっているんですね。
なので仕事で怒られたり叱られたりするとすぐに凹んでしまい、仕事に対しても熱が入らないんです。
3.使えない新入社員との向き合い方|使える新入社員へ変貌
では前述した「使えない新入社員」との向き合い方を解説します。
- 新入社員を小学生だと思って接する
- 感情的になってはいけない|冷静に!
- 期待してはいけない|気長に付き合おう
- 成功体験を実感させる
順に解説しますね。
1.新入社員を小学生だと思って接する
- なるべく専門用語は使わない
- 質問以外の答えは返さない
- 紙に絵を書いて説明する
新入社員を小学生だと思い接してみましょう。
なので、説明する時も一つづつ丁寧に深掘りしながら話すことで理解してもらえます。
少々骨の折れる仕事となってしまいますが、効果アリです。
以前、僕の仕事もありながらそれを犠牲にして、新入社員の相手をしたことがあります。
数時間も隣に座りながら細かく説明したり、つまづいたらもっとこうした方が良いよということを教えました。
完全にペースは新入社員のペースです。
ですから、新入社員の理解に合わせて進めますから、新入社員の分からないことが解決されていくのです。
その際、なるべく専門用語は使わないようにしたり、質問以外の答えは返さないようにしました。
また、口頭だけでなく、紙に絵を書いて説明するとより分かりやすいですよね。
2.感情的になってはいけない
新入社員に教えてもなかなか仕事ができずにいると、イラッとしますよね。
でも感情的になって、怒ってはいけません。
感情的になっても、多くの人はその怒りを受け入れることはできませんよね。
新入社員であれば尚更ですよ。
すぐに仕事が嫌になって、拗ねたり泣いたり仕事に来なくなったりもします。
3.すぐに期待してはいけない
新入社員には、すぐに期待をしてはいけませんよ。
同じ質問を何回もしにきたり、同じミスを何度もするのが新入社員だからです。
でも、こうした遠回りしながらも様々な知識を吸収しようとしています。
以前、新入社員に仕事の説明をする際に、ペンもノートも持って来なかったことがありました。
でもその新入社員は聞いたことを忘れまいと、そこらへんのペンを使って自分の腕に書きはじめたんです。
覚えておこうとする努力は認めますが、やり方が間違っていますよね。
きちんとノートに書いておけば、あとから見直すことができるはずです。
覚えておこうとする努力を評価しつつも、正しいやり方を先輩目線で教えてあげてみましょう。
4.成功体験を実感させる
- 自信がつく(努力が報われる)
- やりがいを感じる
- もっとやってみたいと思う(挑戦意欲)
物事を自分の力で乗り越えると、上記のような感動を味わうことができます。
これは僕も体験済みですし、新入社員であっても得られる事実です。
以前、新入社員(デザイナー)にプログラミングをさせてみました。
最初は畑違いだからと嫌がっていましたが、最終的に一つのWEBサイトを仕上げることができたんです。
(もちろん僕もフォローしたりしていました)
その新入社員はのちにデザイナー兼プログラマーとして活躍するようになりました。
出来ないと思っていたことができるようになると、嬉しい感情とともに自信がつき、またやりたい!と思うようになるんです。
新入社員への特別待遇はいつまで付き合えばいいのか
長くて1年です。
いつまでも上記のような特別待遇をしていてはシンドイです。
また、次年度には新しく新入社員も入社してくるわけですから、いつまでも特別な対応はしていられません。
とはいえ、入社1年目は新入社員という立場があるので、長くとも1年はそれに付き合ってあげる気持ちを持っておきましょう。
年度末(次の新入社員が入社する)近くになると、いつまでも新人扱いはされたくないという意識も持つはずです。
次年度の新人教育担当は、ぜひ手伝ってもらいたいものですね!
3.使えない新入社員は面接ではわからないのか
忙しいにも関わらず、使えない新入社員がいるとイライラしますよね。
そうなると「なんでこんな奴が入社できたんだろう?」と疑問を持ちます。
でも残念ながら、入社前の面接では「使えない新入社員」だとは分からないです。
面接はほぼマニュアル化
新入社員も入社したいがために、あらかじめ面接で聞かれそうなことを学習しています。
僕が面接した新入社員も、面接の受け答えは問題ありませんでした。
ですが、入社ししばらくすると、新入社員の「ボロ」が出てきたんです。
人間性は隠せる|そもそも仕事をすることが嫌いだった
新入社員に色々と作業指示をしていると、めんどくさそうな態度になってきました。
それは誰が見ても明らかに嫌な態度です。
面接では「一生懸命頑張ります!」とか「勉強していきます!」とか言っていたんですが、そんなそぶりはありません。
あるところからの情報だと、「そもそも仕事することが嫌」で働くことが嫌いとのこと。
面接時の態度とは全くの別人で、僕のみる目がなかったのかもしれません。
新入社員の面接では、技術・スキルなど評価しないですから「人間性」「やる気」などを中心に見て評価します。
本来の「人間性」なんて隠すことはできますから、見抜くことは難しいです。
パフォーマンスで採用
面接時に思いがけないパフォーマンスを披露し、採用された人もいます。
上記は僕の先輩のことですが、そもそも入社できたらラッキーと思ってやったそうです。
新入社員の面接では、学業や部活動などの話を通して採用を決めることが多いです。
その中で本人のやる気や頑張る意欲も見ます。
ですが、先輩は面接開始直後に、
「僕はこれまで運動(部活)しかしてきませんでした!でも体力には自信があります!」
と言ってその場で逆立ち(さかだち)をしたそうです。
と社長が僕たちの入社式で言っていました。
形式に囚われず、他の人とは違う何かを持っていると思い期待し採用したそうです。
ですが、先輩は3年後に合わない仕事だということで辞めていきました。
新入社員を採用することは、会社と新入社員との駆け引きで「ギャンブル」のようです。
真面目そうだからと採用しても実は気が弱く精神的に参ったり、チャラそうと思っても根性があったり入社してからでないと本性なんて分からないんです。
それよりも、採用後にどうやってうまく育てて「使える社員」に変貌させるかが、先輩社員(会社)の腕の見せどころです。
4.使えない新入社員は辞めさせられる?|僕の見解
使えない新入社員を辞めさせることは難しいです。
というより、犯罪、極端な職務怠慢で会社にダメージでも与えない限り、ほぼ無理だと思います。
そもそも会社は、新入社員をスキル・能力を評価し採用していません。
教育をしていく義務がありますから「使えない」という理由だけでは解雇できないんです。
普通に考えても、能力がないと知りながら採用され、突然「使えないから解雇ね」と言われるとおかしな話ですよね。
道義に反する行為です。
これが会社がやったということにもなると、不当解雇として訴えられる危険があります。
- 教育は正統だったの?
- 新入社員は一生懸命やってたんじゃないの?
- 評価の指標の基準は何なの?
と、ツッコミどころ満載です。
どんなに使えない新入社員だとしても、辞めさせた事例はこれまで見たことがありません。
むしろ、パワハラ的なことを言われたりして「自主退職」をしています。
まとめ
最後に要点をまとめ終わりにします。
所詮学生上がりの新入社員に、仕事に対する期待を寄せてはいけません。
「使えない新入社員」との向き合い方を変えてみることが大切ですね。
- 新入社員を小学生だと思って接する
- 感情的になってはいけない
- 期待してはいけない
- 成功体験を実感させる
少しづつですが新入社員の仕事に対する意識も変わっていくはずです。
意識が変われば新入社員も成長できるし、あなたの仕事を手伝ってくれる強力な戦力にもなります。
この1年で、会社や後輩に対するあなたの評価も上がりますよ。